CD屋セレクト
2015年 ベスト15

2015年に入手した音源から好きな順に




01
渡辺勝
FADELES S
1994

■1977年から18年開いた3枚目。すべて本人による演奏(打ち込み)で、古くもない新しくも無い、誰とも何とも交わっていないような歌がインストもあわせて12曲収められている。しかしその完全なるプライベートな濃密さと同時に、なぜか外へ街へ開放されているポップさを合わせ持っているのはやはりその楽曲のクオリティの高さ故か。どこか浮世離れしたこのアルバム、こんなムードの作品はなかなかないな(渡辺勝の他の作品の中にさえも)というさ愛しさを抱きつつ、しかし最近はじめて尾崎豊を聞いていたら、ちょっと近いかもしれないと思った。最近のライブで歌われる曲目にはこのアルバムからの歌は見かけないが・・・まさるさんこのアルバムは素晴らしいですよ。





02
あがた森魚
浦島64
2014

■2015年はあがたさんにやられた1年だった。この傑作に驚いてしまって、旧譜も集め始めている。が、今のところこれが最高傑作だと思う。66歳にしてこのキラキラなアルバムをつくってしまったあがたさん。ぶっとんでて、こりゃーあがたさんには追いつけないなあと思っても、横見るとすぐ隣でニコニコ笑ってる感覚。星空バックに。「このアルバム全体が哀愁や郷愁が寂しいものにならないように気をつけました(窪田)」 CD屋にて取り扱い中




03
戸張大輔
ギター
1999

■偶然発掘された1930年代のあるギター弾きの音源に、今で言うDUBとしか呼べない曲や、まだ伝わってないはずの遠い国の楽器の音が紛れ込んでいて専門家は首をかしげるばかり。from天国?from地獄?これはまたとない奇作。 CD屋にて取り扱い中





04
豊田道倫
SHINE ALL AROUND
2015

■これから「豊田道倫ってどんな歌手?」と問われたらこのアルバムの「Tokyo-Osaka-San Francisco」って曲を聞かせようかと思う。あの「1! 2! 3! 4!」に全てがつまってる気がする。ひどい。これは代表作になるんじゃないだろうか。 CD屋にて取り扱い中





05
かくら美慧
女生徒
2015

■まずジャケがいい。中もグラビアでいい。変則チューニングというものだろうか、わからないけどギターの響きが印象的でかつ全く飾らない歌はロックだと思う。遠くの入道雲をみてるような。心がざわざわするアルバム。夏によく聞いた。





06
マロニエ堂
センチメンタルがやってくる
2015

■バンドの中心となるキウチユウスケさんは今年、作家として賞を受賞したので、誰も気づいてくれないこのマロニエ堂のすばらしい歌に初めて大きな共感を得たような気持ちで、ほれ見たことか!と正直思っている。純喫茶というのがあるが、なにかマロニエ堂の歌にはその「純」が当てはまるような匂いを今も漂わせていて、清い故に残酷である。 CD屋にて取り扱い中





07
鶯色
零(ZERO)
2015

■危険。衝撃という点では今年のベストか。シュルレアリスムとか難しい単語持ってくることさえ拒絶する、こんなにも飄々とした狂気がかつて存在しただろうか。たやすくライムとかイルとかサグとか言ってる人々は鶯色の歌聞いて恐れおののいて欲しい。10代で聴いておきたい作品。 CD屋にて取り扱い中





08
The fin.
Days With Uncertainty
2014

■2015年前半によく聞いた。普段日本人が英語で歌う歌は全く貸す耳もないのだが、The fin.ははじめて違った記念。音数が非常にすくないながらも成り立っているのは、メロディと声のよさ。ここからどう聞かせていくのかが、期待と不安のまだ若いバンド。





09
ウワノソラ'67
ポートレイト・イン・ロックンロール
2015

■何年か経って2015年を振り返ったときこのアルバムを思い出すのだろうか。いろいろ特殊な今年の印象的1枚。昨今の若きシティポップスの類はさらっと流してしまう傾向ながらこのCDは違った。「上手」だけじゃない熱いものがあった。今も全国で10店舗ほどでしか扱ってないようで、その挑戦も面白い作品。ウワノソラ2/3のユニットとは言え、メールやりとりやCDを丁寧に送ってくれたのはもうひとりのウワノソラだったことも記しておきたい。 CD屋にて取り扱い中




10
TINY TIM
Wonderful World Of Romance
2006(1980)

■ふとみた動画で知った、ウクレレ片手におどけて歌うタイニーティムの姿にはなにか勇気付けられた気がする。 歌というものについて。いくつか手に入れたが、一番シンプルな200枚だけ作られたジャケもないこのプライベート盤が一番いい。




11
海藻姉妹
海底音楽会実況盤
2015

■発売日のちょうど夜に京都は島原「きんせ旅館」でライブを見た。対バンは倉地久美夫。超絶テクなどということよりもっと素直に、映画のような、どこか遠くで鳴っている楽器の音が心地よい。日曜の午前中に小さな音で。 CD屋にて取り扱い中




12
pizzicato five
couples
1986

■「佐々木麻美子原理主義」だっけな・・どこかでそのような初期ピチカートへの想いを目にしていた気がするが、確かにこのポワーっとした心ここにあらずムードは何にも代えがたいものがある。素敵なアルバム。




13
ダンボールバット
壊れたカセットはA.O.R.
2015

■現代人が忘れてしまったものがここにあった。この押し付けがましいムンムンのムード、グラサンで仁王立ちする背徳感!闇で交わす秘密の暗号、、、アングラ・ノット・デッド!とぼけた顔してババンバンな1枚だと思う。 CD屋にて取り扱い中




14
冷牟田敬
noise myself
2015

■ムード、スリリング、こういうドライで意味よりサウンドな耽美系世界観は日本人にはあまり出せないのではないだろうか。90s前半の好きなUSギターバンドと余韻がとても近い。このジャケとマイブラシングルのジャケのシンクロが偶然というのはちょっと信じがたい。




15
祝茉莉と音に敏感
混浴
2015

■実に惜しい1枚。ジャケットをもっとかわいい祝茉莉ちゃん写真に代えて、祝茉莉ちゃんのVoトラックだけにした自分用編集盤をすぐつくった。しかしPVのいったいなんなの??でもすげえかわいい!でも何??って衝撃は年の暮れだがちょっとでかかった。とにかく祝茉莉ちゃんがかわいい。祝茉莉フォルダを作った。







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